【現代葬儀：直葬】第5回：直葬のメリットとデメリット｜選ぶ前に知っておきたい現実

メリット：費用・手間・静けさ・家族の負担軽減

直葬には次のようなメリットがあります。

• 費用が安い
  一般葬の約1/3以下で済むため、経済的負担が軽い。生活コストが上昇する現代において、費用面での安心感は大きな要素です。
• 準備や手間が少ない
  通夜や告別式の準備が不要で、短期間で完了します。葬儀社に依頼すれば搬送から火葬まで一括で対応してくれるため、遺族の負担は最小限です。
• 静かに見送れる
  参列者が少なく、身内だけで落ち着いた雰囲気で見送れます。大勢の人に囲まれることなく、家族だけで故人と向き合える時間を持てるのは直葬ならではの特徴です。
• 家族の負担軽減
  返礼品や会食の準備が不要で、精神的・体力的な負担が少ない。高齢の遺族にとっても、短時間で済む直葬は安心できる選択肢です。

デメリット：お別れの時間の短さ・親族理解・宗教儀式なし

一方で、直葬にはデメリットもあります。

• お別れの時間が短い
  通夜や告別式がないため、故人を偲ぶ時間が限られます。後になって「もっと時間をかけて見送ればよかった」と感じる人もいます。
• 親族の理解が必要
  親族や知人から「簡素すぎる」と思われる可能性があります。特に年配の親族は従来の葬儀形式を重視する傾向があり、理解を得るのが難しい場合もあります。
• 宗教儀式がない
  僧侶の読経や宗教的な儀式を重視する人には不向きです。菩提寺との関係によっては「直葬は認められない」と言われるケースもあります。
• 後悔の可能性
  「費用を抑えられたのは良かったが、友人が参列できず寂しかった」という声もあり、後悔につながることがあります。

実際に経験した人の声

直葬を経験した人の声には、次のようなものがあります。

• 「費用が抑えられて助かったが、親族から『あまりに簡単すぎる』と言われた」
• 「本人が生前に『簡単でいい』と言っていたので直葬を選び、納得できた」
• 「静かに見送れたのは良かったが、友人が参列できず寂しさを感じた」

これらの声から分かるのは、直葬は合理的である一方で、感情面での課題も残るということです。

トラブル事例と回避策

直葬を選んだことで起こり得るトラブルには以下があります。

• 親族間の意見の対立
  「もっと儀式をすべきだ」という声と「簡素で良い」という声がぶつかる。
• 参列希望者への対応
  友人や知人が参列できず、不満を抱くケース。
• 宗教的な不満
  菩提寺との関係で「直葬は認められない」と言われる場合もある。

回避策としては、事前に親族や関係者に説明し、故人の希望を共有することが重要です。また、後日「お別れ会」や「偲ぶ会」を開くことで不足を補う方法もあります。

まとめ：「“安い”より“納得できる形”を選ぶことが大切」

直葬は費用や負担を大幅に軽減できる合理的な選択肢ですが、儀式を省略することで失われるものもあります。大切なのは「安さ」だけでなく、遺族や親族が納得できる形を選ぶことです。

葬儀は故人を送る場であると同時に、遺族が心を整理するための大切な時間でもあります。直葬を選ぶ際には、メリットとデメリットを冷静に比較し、「誰のための葬儀なのか」を考えることが必要です。

あなたなら、大切な人を見送るとき、直葬という選択肢をどう感じますか。

hajizo

では、おつかれさまでした～